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いかなるほしのもとに

如何なる星の下に

高見 順

「文藝」1939(昭和14)年1月号~1940(昭和15)年3月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 119,508 字 · 236 页

青空文庫

「××君と誰?」

誰と誰と言って「――あたし、ふんとに困っちゃったわ」

鼻の低い、そのかわりのように唇が飛び出た、その踊り子は、無遠慮に投げ出した裸の脚をボリボリ掻きながら、朝野とそんな話をはじめた。私と小柳雅子とは、黙って何かかしこまっていた。

やがて、朝野が、

「サーちゃん、紹介しよう」と言った。

サーちゃんという名のその踊り子は、脚を出したまま、

「はじめまして……」

慣れた悪びれぬ態度で、私は気がらくだった。

「この人のうちは、千束の箒屋さんでね」朝野が言った。「ゆんべの客のようなのを早く帰そうと、箒に手拭をかぶせようと思っても、うち中、箒だらけで、どれにしていいか……」

「バカね、朝野さんたら……」

「ほんとじゃないか」

「箒だらけは、ほんとだけどさ」

「手拭の話、いつか自分でしたじゃないか」

「あら、そう、――そう言えば、そうだったわね」

サーちゃんは、朗らかに笑った。

――ショウのはじまる前であった。

ショウが済んだら、幕合いに、このサーちゃんや小柳雅子と一緒にお茶をのみに出ようということになって、私たちは、ショウの済むまで、舞台の下の地下室で待っていた。