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いかなるほしのもとに

如何なる星の下に

高見 順

「文藝」1939(昭和14)年1月号~1940(昭和15)年3月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 119,508 字 · 236 页

青空文庫

地下室には衣装部屋などがあって、その狭い廊下には、刺激的な姿をした踊り子たちが、出を待ってうろうろしている。私は客席に回って、ショウを見たかったのだが、朝野は、

「ショウなど見ても、しょうがないでしょう」

と洒落を言って、ここのなまなましさの方が好ましいといった眼であった。朝野としては珍しい洒落を口にするほど、彼はすっかり浮きうきした顔で、――そうした調子で、

「――瓶君」

と、ギターを抱えた一人の背の高い男に呼びかけた。

「やあ、朝野さん」

それは「愉快な四人」という四人組のボードビリアンの一人の瓶口黒須兵衛であった。

朝野は瓶口と無駄口をかわしたのち、

「紹介しよう。――こちら、小説家の倉橋君」

すると、瓶口が、

「これは、これは……」

と、さすがに舞台の人間だけに、敬意を誇張した大げさな身振りをして、

「いつも、御作を拝見しております」

私は照れて、

「――や、どうも」

「先月の、あれは講談世界でしたか、御作を非常に面白く拝見したのがありましたが……」

私は講談世界という大衆雑誌に、まだ一度も書いたことはない。私はことごとくまごついて、

「――やあ、どうも」

――地下鉄横町に「ボン・ジュール」