轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
きせつのないまち
季節のない街
山本 周五郎
「朝日新聞 夕刊」1962(昭和37)年4月1日~10月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 201,379 字 · 394 页
「にっぽんかいびゃく以来、あんなお人好しのおたんこなすは見たこともねえ」と男たちは云った、「おれっちがかいびゃくこのかた生きて来たわけじゃねえにしろさ」
けれどもときたま、良さんはつくづくと子供たちを眺めることがあった。食事のとき、子供たちと膳を囲んで坐りながら、とつぜん茶碗と箸の動きを止め、びっくりしたような眼で太郎を見、その眼を次郎に移し、花子、四郎、梅子と見まもるのである。
「なにさ、とうちゃん」父の眼に気づいて、どの子かがきく、「どうかしたの」
良さんはゆるやかに頭を振り、やさしげに微笑する。
「どうもしないさ」と良さんは答える、「みんな大きくなったな、と思ってね」
或る日の夕方、次郎が泣きながら帰って来た。みさおは例によって留守だったが、父やきょうだいはみないた。次郎はときたま外で喧嘩してくるから、初めは誰も気にしなかった。
良さんはブラッシを作ってい、太郎はその脇で、ブラッシの柄のつやだしをしていた。次郎の泣きようがいつもとは違うのに、花子がまず気づいた。
「どうしたの、次郎ちゃん」花子が運針の手を止めて次郎を見た、「梅ちゃんが心配するじゃないの、泣くのやめなさいよ」