轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

どんぐり

寺田寅彦随筆集 第一巻

寺田 寅彦

寺田寅彦『寺田寅彦随筆集 第一巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:どんぐり、科学者と芸術家、旅日記から、竜舌蘭、花物語、芝刈り、球根、簔虫と蜘蛛、ねずみと猫、物理学と感覚、先生への通信、病院の夜明けの物音、病室の花、丸善と三越、自画像、春寒、春六題、田園雑感、写生紀行、笑い、案内者、断水の日。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 203,161 字 · 412 页

青空文庫

さっきの材木もやはりどこかの工場のである事が人夫の話から判断された。工業が衰えたわけでもないらしい。個体が死んでも種が栄えれば国家は安泰である。個体の死に付随する感傷的な哀詩などは考えないほうが健全でいいかもしれない。

工場のみならず至るところに安普請の家が建ちかかっているのがこのあいだじゅう目についていた。ひところ騒がしかった住宅難の解決がこんなふうにしてなしくずしについているかと思われた。まだ荒壁が塗りかけになって建て具も張ってない家に無理無体に家財を持ち込んで、座敷のまん中に築いた夜具や箪笥の胸壁の中で飯を食っている若夫婦が目についたりした。

新開地を追うて来て新たに店を構えた仕出し屋の主人が店先に頬杖を突いて行儀悪く寝ころんでいる目の前へ、膳椀の類を出し並べて売りつけようとしている行商人もあった。そこらの森陰のきたない藁屋の障子の奥からは端唄の三味線をさらっている音も聞こえた。こうしてわが大東京はだらしなく無設計に横に広がって、美しい武蔵野をどこまでもと蚕食して行くのである。こんなにしなくても市中の地の底へ何層楼のアパートメントでも建てたほうがよさそうに思われる。