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どんぐり
寺田寅彦随筆集 第一巻
寺田 寅彦
寺田寅彦『寺田寅彦随筆集 第一巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:どんぐり、科学者と芸術家、旅日記から、竜舌蘭、花物語、芝刈り、球根、簔虫と蜘蛛、ねずみと猫、物理学と感覚、先生への通信、病院の夜明けの物音、病室の花、丸善と三越、自画像、春寒、春六題、田園雑感、写生紀行、笑い、案内者、断水の日。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 203,161 字 · 412 页
実際自分のようなものでも、健康のぐあいがよくて精力の満ちているような場合に、このような変則な笑いの出現する事はまれであって、病後あるいは精神過労の後に最も顕著な事から考えてもこの仮説は少なくともよほど見込みがありそうである。
このような考えから出発して一般の笑いの現象を研究してみたらどうかという事は自然に起こる次の問題である。
狂人やヒステリー患者の病的な笑いはどうであろう。これは第一自分の経験もないし、また観察すべき材料も手近にないからよくはわからないが、たとえば女のからだのある変化に随伴して起こりがちなヒステリーなどは、鬱積した活力が充分に発現されないために起こる病的現象だとすると、前の仮説の領域から全く離れたものとは思われない。
しかしそれはしばらくおいて、もう少し正常な健全な笑いを考えてみる。
そういう笑いの中で最も純粋で原始的だと言われるのは、野蛮人でも文明人でも子供でもおとなでも共通に笑うような笑いでなければならない。野蛮人がいかなる事を笑うかという事が知りたいのであるがこれはちょっと参考すべき材料を持ち合わせない。やむを得ず子供の場合を考えてみた。