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どんぐり
寺田寅彦随筆集 第一巻
寺田 寅彦
寺田寅彦『寺田寅彦随筆集 第一巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:どんぐり、科学者と芸術家、旅日記から、竜舌蘭、花物語、芝刈り、球根、簔虫と蜘蛛、ねずみと猫、物理学と感覚、先生への通信、病院の夜明けの物音、病室の花、丸善と三越、自画像、春寒、春六題、田園雑感、写生紀行、笑い、案内者、断水の日。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 203,161 字 · 412 页
罪人はもっともっとほかにたくさんある。言わばニュートンは真理の殿堂の第一の扉を開いただけで逝いてしまった。彼の被案内者は第一室の壮麗に酔わされてその奥に第二室のある事を考えるものはまれであった。つい、近ごろにアインシュタインが突然第二の扉を蹴開いてそこに玲瓏たる幾何学的宇宙の宮殿を発見した。しかし第一の扉を通過しないで第二の扉に達し得られたかどうかは疑問である。
この次の第三の扉はどこにあるだろう。これはわれわれには全然予想もつかない。しかしその未知の扉にぶつかってこれを開く人があるとすれば、その人はやはり案内者などのやっかいにならない風来の田舎者でなければならない。第三の扉の事はいかに権威ある案内記にも誌してないのである。
思うにうっかり案内者などになるのは考えものである。黒谷や金閣寺の案内の小僧でも、始めてあの建築や古器物に接した時にはおそらくさまざまな深い感興に動かされたに相違ない。それが毎日同じ事を繰り返している間にあらゆる興味は蒸発してしまって、すっかり口上を暗記するころには、品物自身はもう頭の中から消えてなくなる。残るものはただ「言葉」