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えいがじだい

寺田寅彦随筆集 第二巻

寺田 寅彦

寺田寅彦『寺田寅彦随筆集 第二巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:映画時代、子猫、解かれた象、相対性原理側面観、怪異考、比較言語学における統計的研究法の可能性について、化け物の進化、ルクレチウスと科学、蓄音機、亮の追憶、一つの思考実験、電車の混雑について、浮世絵の曲線、二十四年前、伊吹山の句について、池、路傍の草、備忘録、日本楽器の名称、Liber Studiorum、時事雑感。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 207,099 字 · 419 页

青空文庫

今から百年前にこの書を読んだ人にはおそらく無意味な囈語のように思われたであろうと思うような章句で、五十年前の読者にはやっと始めてその当時の科学的の言葉で翻訳されたであろうと思われるのがある。それどころか十年前の物理学者ならばなんの気なしに読過したであろうと思う一句が、最新学説の光に照らして見ると意外な予言者としてわれわれの目に飛び込んで来るのもあるようである。

私がルクレチウスを紹介した集会の席上で、今どきそういうかび臭いものを読んで、実際に現在の物理学の研究上に何かの具体的の啓示を受けるという事がはたして有りうるであろうかという疑いをもらした人もあった。この疑いはあるいは現代の多くの科学者の疑いを代表するものであるかもしれない。しかし私は確かにそれが可能であると信じる一人である。もちろん科学者の中にはいろいろの種類の性質の人がある。暗示に対する感受性の鋭敏なたちの人と鈍感なたちの人とがある。解析型クラシカル型の人は多く後者に属し、幾何型ロマンチック型の学者は前者に属するのは周知の事実である。暗示に対して耳と目を閉じないタイプの学者ならば、ルクレチウスのこの黙示録から、おそらく数限りない可能性の源泉をくみ取る事ができるであろう。