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えいがじだい
寺田寅彦随筆集 第二巻
寺田 寅彦
寺田寅彦『寺田寅彦随筆集 第二巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:映画時代、子猫、解かれた象、相対性原理側面観、怪異考、比較言語学における統計的研究法の可能性について、化け物の進化、ルクレチウスと科学、蓄音機、亮の追憶、一つの思考実験、電車の混雑について、浮世絵の曲線、二十四年前、伊吹山の句について、池、路傍の草、備忘録、日本楽器の名称、Liber Studiorum、時事雑感。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 207,099 字 · 419 页
しかしもともと相対性理論の存在を必要とするに至った根原は、畢竟時に関する従来の考えの曖昧さに胚胎しているのではないかと考えられる。時間もそれ自身の存在を持たないと言ったルクレチウスの言葉がそこになんらかの関係をもつように思われる。「物の運動と静止を離れて時間を感ずる事はできない」という言葉も、深く深く考えてみる価値のある一つの啓示である。彼は「運動」あるいは速度加速度にともかくも確実なる物理的現象、可測的現象としての存在を許容して、時間のほうをむしろ従属的のものと考えているかのように見える。この考えははたしてそれほど価値のないものであろうか。
普通力学の問題において、運動方程式が完全に解かれた場合には、すべての質点の各位置における速度、加速度、運動量、あるいはエネルギーのごときものが、それぞれ時の函数として与えられる。逆に、たとえ常に単義的ではないまでも、この後者の数値が与えられれば、それから時間がこれらの函数として与えられうるのである。またおもしろい事には可逆的週期運動の場合にはかくして得られる「時」は単義的に決定されない。しかして実際そういう運動のみの世界には物理学的に非可逆の時は存在しないのである。