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えいがじだい

寺田寅彦随筆集 第二巻

寺田 寅彦

寺田寅彦『寺田寅彦随筆集 第二巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:映画時代、子猫、解かれた象、相対性原理側面観、怪異考、比較言語学における統計的研究法の可能性について、化け物の進化、ルクレチウスと科学、蓄音機、亮の追憶、一つの思考実験、電車の混雑について、浮世絵の曲線、二十四年前、伊吹山の句について、池、路傍の草、備忘録、日本楽器の名称、Liber Studiorum、時事雑感。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 207,099 字 · 419 页

青空文庫

もしこれに時々起こる五分以上の間隔を加えて計算すると、この懸隔はさらに著しくなる。

これは何を意味するか。

個々の乗客が全く偶然的に一つの停留所に到着したときに、ある特別な間隔に遭遇するという確率は、あらゆる種類の間隔時間とその回数との相乗積の総和に対するその特別な間隔の回数と時間との積の比で与えられる。そこでたとえば前の例について言えば二分以下の間隔に飛び込む機会は三度に一度で、二分以上五分までの長い間隔にぶつかるほうは三度に二度の割合になる。実際は五分以上のものが勘定に加わるからおそらくこの割合は四度に三度ぐらいになる場合が多いだろうと思われる。(停留所で待つ時間の確率を論じるには、もう少し立ち入る必要があるが、これは略して述べない。)以上はただ一例に過ぎないが、私の観測したその他の場合にも、だいたいこれと同様な趨勢が認められるのである。

それでともかくも、全く顧慮なしにいつでも来かかった最初の電車に飛び乗る人にとっては、すいたのにうまく行き会う機会が少なくて、込んだのに乗る機会が著しく多い。そういう経験の記憶が自然に人々の頭にしみ込む。おそらく込み合っていた多数の場合の記憶は、まれにすいていた少数の場合の記憶よりも強く印銘せられるとすると、以上の比例の懸隔は、心理的に変化を受け、必ずいくぶんか誇張