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えいがじだい

寺田寅彦随筆集 第二巻

寺田 寅彦

寺田寅彦『寺田寅彦随筆集 第二巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:映画時代、子猫、解かれた象、相対性原理側面観、怪異考、比較言語学における統計的研究法の可能性について、化け物の進化、ルクレチウスと科学、蓄音機、亮の追憶、一つの思考実験、電車の混雑について、浮世絵の曲線、二十四年前、伊吹山の句について、池、路傍の草、備忘録、日本楽器の名称、Liber Studiorum、時事雑感。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 207,099 字 · 419 页

青空文庫

そして、その最も南の先端が、美濃、近江、伊勢三国の境のへんまで来ているのである。従って、伊吹山は、この区域の東の境の内側にはいっているが、それから東へ行くと降雨日数がずっと減る事になるわけである。

何ゆえにこのような区域に、特に降水が多いかという理由について、筒井氏の説を引用すると、冬季日本海沿岸に多量の降雨をもたらす北の季節風が、若狭近江の間の比較的低い山を越えて、そして広い琵琶湖上から伊勢湾のほうへ抜けようとする途中で雪を降らせるというのであるらしい。特に美濃近江の国境の連山は、地形の影響で、上昇気流を助長し、雪雲の生成を助長するのであろう。

また伊吹山観測所で霧を観測した日数を調べてみると、四か年間の平均で、冬季三か月間につき七六、八日となっている。つまり冬じゅうの約八割五分は伊吹山頂に雲のかかった日があるわけになる。もっともそれだけでは山頂が終日全部おおわれているかどうかはわからないが、ともかくもこの山がそのままによく見える日がそうそう多くはないという事だけは想像される。

以上の事実を予備知識として、この芭蕉の句を味わってみるとなると「おりおりに」