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えいがじだい

寺田寅彦随筆集 第二巻

寺田 寅彦

寺田寅彦『寺田寅彦随筆集 第二巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:映画時代、子猫、解かれた象、相対性原理側面観、怪異考、比較言語学における統計的研究法の可能性について、化け物の進化、ルクレチウスと科学、蓄音機、亮の追憶、一つの思考実験、電車の混雑について、浮世絵の曲線、二十四年前、伊吹山の句について、池、路傍の草、備忘録、日本楽器の名称、Liber Studiorum、時事雑感。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 207,099 字 · 419 页

青空文庫

などと言って無理やりに何かしゃべる事を強要される。それでも頑強に応じないと、あとから立つ人の演説の中で槍玉にあげられる。迷惑な事である。

あれはともかくもやはり西洋人のまねから起こった事には相違ない。不幸にして西洋の社交界へ顔を出した事がないし、出たところで言語がよくわからないから、西洋の卓上演説がどんなにあくどいものかばからしいものかを承知しない、従って日本の卓上演説との比較も何もできない。

いちばん最初にああいう事を始めた人はどういう人か知らないがおもしろい事を発明したものである。しゃべる事の好きな人が、ごちそうを食っていい気持ちになった時分に立って何かしら警句でも吐いてお客さんたちをあっと言わせたりくすぐって笑わせたりするのはかなりな享楽であろうと想像する事ができる。それにはいわゆるデザートコースにはいってからがきわめて適当な時機であろうという事も了解される。つまり一種の生理的の要求を満足させるための、ごちそうの献立の一つだと思えばいいのだろうと思う。ただ一つ問題になるのは、料理のほうだといやなものは食わないで済むのに、この演説だけは無理じいにしいられるという事である。