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えいがじだい

寺田寅彦随筆集 第二巻

寺田 寅彦

寺田寅彦『寺田寅彦随筆集 第二巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:映画時代、子猫、解かれた象、相対性原理側面観、怪異考、比較言語学における統計的研究法の可能性について、化け物の進化、ルクレチウスと科学、蓄音機、亮の追憶、一つの思考実験、電車の混雑について、浮世絵の曲線、二十四年前、伊吹山の句について、池、路傍の草、備忘録、日本楽器の名称、Liber Studiorum、時事雑感。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 207,099 字 · 419 页

青空文庫

研究をつづけて行けば結局は立派なものになりうるであろう。多くの人からあんなつまらないことと言われるような事がらでも深く深く研究して行けば、案外非常に重大で有益な結果が掘り出されうるものである。自然界は古いも新しいもなく、つまらぬものもつまるものもないのであって、それを研究する人の考えと方法が新しいか古いか等が問題になるのである。最新型の器械を使って、最近流行の問題を、流行の方法で研究するのがはたして新しいのか、古い問題を古い器械を使って、しかし新しい独自の見地から伝統を離れた方法で追究するのがはたして古いかわからないのである。

今年物理学上の功績によってノーベル賞をもらったインド人ラマンの経歴については自分はあまり確かな事を知らないが、人の話によると、インドの大学を卒業してから衣食のために銀行員の下っぱかなんかを勤めながら、楽しみにケンブリッジのマセマチカル・トライポスの問題などを解いて英国の学者に見てもらったりしていた。そんな事から見いだされてカルカッタ大学の一員になったのが踏み出しだそうである。始めのうちは振動の問題や海の色の問題や、ともかくも見たところあまり先端的でない、新しがり屋に言わせれば、いわゆる古色蒼然たる問題を、自分だけはおもしろそうにこつこつとやっていた。