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えいがじだい

寺田寅彦随筆集 第二巻

寺田 寅彦

寺田寅彦『寺田寅彦随筆集 第二巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:映画時代、子猫、解かれた象、相対性原理側面観、怪異考、比較言語学における統計的研究法の可能性について、化け物の進化、ルクレチウスと科学、蓄音機、亮の追憶、一つの思考実験、電車の混雑について、浮世絵の曲線、二十四年前、伊吹山の句について、池、路傍の草、備忘録、日本楽器の名称、Liber Studiorum、時事雑感。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 207,099 字 · 419 页

青空文庫

物質に関する科学の領域にはこれに似た例はまれであろう。

二匹の子猫はだいたい三毛に似た毛色をしていた。一つを「太郎」もう一つを「次郎」と呼んでいた。あとの二匹は玉のような赤黄色いのと、灰色と茶の縞のような斑のあるのとで、前のを「あか」あとのを「おさる」と名づけていた、おさるは顔にある縞がいわゆるどこか猿ぐまに似ていたからだれかがそう名づけたのである。そうして背中の斑が虎のようだから「鵺」だというものもあった。この鵺だけが雌で、他の三匹はいずれも男性であった。

生長するにつれて四匹の個性の相違が目について来た。太郎はおっとりして愛嬌があって、それでやっぱり男らしかった。次郎もやはり坊ちゃんらしい点は太郎に似ていたが、なんとなく少し無骨で鈍なところがあった。赤は顔つきからして神経的な狐のようなところがあったが、実際臆病かあるいは用心深くて、子供らしいところが少なかった。おさるは雌だけにどこか雌らしいところがあって、つかまりでもするとけたたましい悲鳴をあげて人を驚かした。

玉をつれて来て子猫の群れへ入れると、赤と次郎はひどくおびえて背を丸く立てて固くしゃちこばったが、太郎とおさるはじきに慣れて平気でいた。