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えいがじだい
寺田寅彦随筆集 第二巻
寺田 寅彦
寺田寅彦『寺田寅彦随筆集 第二巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:映画時代、子猫、解かれた象、相対性原理側面観、怪異考、比較言語学における統計的研究法の可能性について、化け物の進化、ルクレチウスと科学、蓄音機、亮の追憶、一つの思考実験、電車の混雑について、浮世絵の曲線、二十四年前、伊吹山の句について、池、路傍の草、備忘録、日本楽器の名称、Liber Studiorum、時事雑感。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 207,099 字 · 419 页
狭く科学と限らず一般文化史上にひときわ目立って見える堅固な石造の一里塚である。
五
相対性原理に対する反対論というものが往々に見受けられる。しかし私の知り得た限りの範囲では、この原理の存在を危うくするほどに有力なものはないように思われる。
反対論者の反対のおもなる「動機」は、だんだんせんじつめると結局この原理の基礎的な仮定や概念があまりはなはだしく吾人の常識にそむくという一事に帰着するように見える。
科学と常識との交渉は、これは科学の問題ではなくてむしろ認識論上の問題である。従って科学上の問題に比べてむつかしさの程度が一段上にある。
しかし少なくも歴史的に見た時に従来の物理的科学ではいわゆる常識なるものは、論理的系統の整合のためには、惜しげなくとは言われないまでも、少なくもやむを得ず犠牲として棄却されあるいは改造されて来た。
太陽が動かないで地球が運行しているという事、地球が球形で対蹠点の住民が逆さにぶら下がっているという事、こういう事がいかに当時の常識に反していたかは想像するに難くない。
非ユークリッド幾何学の出発点がいかに常識的におかしく思われても、これを否定すべき論理は見つからない。