轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)
山の憶い出 上
木暮 理太郎
木暮理太郎『山の憶い出 上』。同一底本的分册已合并为一书。收入:笛吹川の上流(東沢と西沢)、奥秩父の山旅日記、釜沢行、秩父の奥山、利根川水源地の山々、秋の鬼怒沼 、美ヶ原、木曽駒と甲斐駒、黒部川奥の山旅、黒部川を遡る 、針木峠の林道 、春の大方山、三国山と苗場山、八ヶ峰の断裂 。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 284,014 字 · 565 页
衆皆拍手喝采して探検者一行の大発見を喜ぶ。直に丘下に到りて仰ぎ見れば、丘の高さ百尺余、天然の奇岩兀として其頂上に立ち、一見人工を加へたる文殊菩薩に髣髴せり。傍に一大古松あり。鬱として此文殊岩を掩へり。丘を攀登して岩下に近づかんとするも嶮崖頗る甚し。小西君及余の二人奮発一番衆に先つて上る、他の者次で到る。岩に近づけば菩薩の乳頭と覚しき所に一穴あり。頭上にも亦穴を開けり。古人の所謂利根水源は、文殊菩薩の乳より出づとは、即ち積雪上を蹈み来りし際、雪解けて水となり此乳頭より滴下せるを見たるを云ふなるべし。され共水源を以て此処に在りとするは非なり。
と書れているが、私はそれを多少仏体に似た岩を偶然発見したものと見做して、どうも此岩を古く見た人がある為に伝説が生じたとは信じ兼ねるのである。
維新後になっても此伝説はまだ相当に勢力があったものと覚しく、之に拠った地誌もある程であった。明治十二年編纂の『郡村誌』藤原村利根川の条下には、
本村ノ北方駒ヶ岳(一名文殊岳)ヨリ水長沢ヲ出ス。三渓山中ニ合シ、十五里許ニシテ利根川ニ入ル、世人是ヲ利根川ノ源トス、大ニ誤レリ。此ノ三条ノ内何レノ一条カ文殊岩ノ乳ヨリ滴ルモノアリ。