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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)

山の憶い出 上

木暮 理太郎

木暮理太郎『山の憶い出 上』。同一底本的分册已合并为一书。收入:笛吹川の上流(東沢と西沢)、奥秩父の山旅日記、釜沢行、秩父の奥山、利根川水源地の山々、秋の鬼怒沼 、美ヶ原、木曽駒と甲斐駒、黒部川奥の山旅、黒部川を遡る 、針木峠の林道 、春の大方山、三国山と苗場山、八ヶ峰の断裂 。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 284,014 字 · 565 页

青空文庫

木曽駒と甲斐駒

木曽駒

木曽駒

矧川志賀先生の『日本風景論』(第三版)を読まれた人は、日本には火山岩の多々なる事という章の終りに、附録として「登山の気風を興作すべし」という一文が添えてあることを記憶されているであろう。其の(七)に中部日本の花崗岩と題して、花崗岩の大塊が富士山火山脈の西に曳き、中部日本に蟠居していることを述べ、「所謂木曾地方悉く花崗岩に成り、其の荘厳雄大なる景象を表出するは実に此岩に因る。中部日本の花崗岩中、須らく登臨を試むべきは」、鎗ヶ岳(三五三一米)及び駒ヶ岳(二五五七米)であるとし、更に「中部日本の大花崗岩塊の東に片麻岩延縁す。既にして甲斐国裡に入り、二塊の花崗岩あり、西に在るを駒ヶ岳塊、東に在るを金峰山塊と称す、共に其の延縁せる面積は些少なるも、而かも此の小塊中に高峰累々、奇抜無比。試に登臨せんか」と呼びかけて、鞍懸山(一四八三米)、駒ヶ岳(三〇〇二米)、鳳凰山(二九一二米)、地蔵岳(二七九七米)及び金峰山(二五五一米)の五座が挙げてある。この記事を読んですっかり有頂天になり、鞍懸山は措て問わず、其他の六座は二千五百米から三千米を超えた日本に於ける花崗岩の代表的高山であるから、一つ残らず登りたいものだと、心もそぞろに待ち憧れていた機会到来して、勇躍旅程に上ったのは明治二十九年の七月であった。