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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)

山の憶い出 上

木暮 理太郎

木暮理太郎『山の憶い出 上』。同一底本的分册已合并为一书。收入:笛吹川の上流(東沢と西沢)、奥秩父の山旅日記、釜沢行、秩父の奥山、利根川水源地の山々、秋の鬼怒沼 、美ヶ原、木曽駒と甲斐駒、黒部川奥の山旅、黒部川を遡る 、針木峠の林道 、春の大方山、三国山と苗場山、八ヶ峰の断裂 。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 284,014 字 · 565 页

青空文庫

大水上山(利根岳)

稍足に絡る程の草を蹈み分けて、下り気味に十分も行くと又小さい池があり、あたりには毛氈苔が多い。今度は再び上り気味に十二、三分も歩いて、丹後小洞の源頭に懸る雪田を横切り、のろのろした山の脊を伝って、右に延びた堤のような高みを踰えると、忽ち脚下にかなりの大雪田が現れる。これこそ真に利根川の水源をなすもので、其量から推すと一部分は或は万年雪となって残るであろうと想われる。

大水上山(利根岳)

大水上山の名は、一たび『正保図』にあらわれてから、其後の絵図や地志の類は皆之を蹈襲している。然し伝写の間に大をスに誤ったり、なの変態仮名をかと間違ったりして、『富士見十三州図』の大スミカミ山や、『上野国志』のすみがかみ山等の名が作られたけれども、根本は皆大みなかみ山から導かれたものであることは容易に察することが出来る。そして大みなかみ山の名が利根川の水源を意味していることも『正保図』を見れば疑う余地はない。勿論『正保図』の利根川は此山の麓まで記入してはいないが、利根の水流が其山の方向を指し、側に利根川水上と書いてある所から判断すれば意味は自ら明瞭である。然るに利根川は文殊岳より発源するという伝説が生れてからは、大みなかみ山に向っていた利根川の水源は、『利根川図志』