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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)
山の憶い出 上
木暮 理太郎
木暮理太郎『山の憶い出 上』。同一底本的分册已合并为一书。收入:笛吹川の上流(東沢と西沢)、奥秩父の山旅日記、釜沢行、秩父の奥山、利根川水源地の山々、秋の鬼怒沼 、美ヶ原、木曽駒と甲斐駒、黒部川奥の山旅、黒部川を遡る 、針木峠の林道 、春の大方山、三国山と苗場山、八ヶ峰の断裂 。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 284,014 字 · 565 页
河と山脈
例せば『正保図』や『上野国志』などがそれである。天保以後になると更に其数は増加するが、根本の図書は一つか二つであるから、著者は異っていても其記載する所は殆ど同じであって、新に得る所のないのが常である。今は其等に就て一々説明することを避け、私の蹈査の及ばない部分を補う材料として、後に必要に応じて引用する際に比較研究して見たいと思う。
河と山脈
清水街道の湯檜曾から岐れて藤原へ行く二里余の道は、始終利根川に沿うている。粟沢の部落を通り抜け、柿平を過ぎて夜後に近づくと、川は引括られたように狭くなって、殊に夜後橋の下では纔に四、五尺の幅に蹙められている。タデソリ(又はタデスリ)ノセンというのは幅一間あまり高さ四、五尺の人工の瀑で、其下は深い淀が一、二町許りも続き、この上流へ来ても驚く程水量の豊富である利根の水が暗緑に沈んで渦を巻いたり、声を呑んで冷くグラグラ煮え返りながら、最後に大淵の物凄い瀞からサッと溢れて、急瀬に白泡を立てて走り下って行く。河の中に突き出した巌の上に立って眼を上流に放つと、おもしろい形をした巨岩が或は横に蟠り或は縦に峙って、両岸に高さ二丈許りの崖を連ね、崖上には大樹枝を交えて鬱蒼として河を掩うている。