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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)
山の憶い出 上
木暮 理太郎
木暮理太郎『山の憶い出 上』。同一底本的分册已合并为一书。收入:笛吹川の上流(東沢と西沢)、奥秩父の山旅日記、釜沢行、秩父の奥山、利根川水源地の山々、秋の鬼怒沼 、美ヶ原、木曽駒と甲斐駒、黒部川奥の山旅、黒部川を遡る 、針木峠の林道 、春の大方山、三国山と苗場山、八ヶ峰の断裂 。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 284,014 字 · 565 页
大方山の頂上から尾根伝いに雨ヶ岳までは、雪の上が歩けた。長い笹の繁っている処では、雪が浅くて落ち込むこともあったが、概して歩行は楽であった。夏は困難するであろう。雨ヶ岳からは直接に川尻へ下ろうと試みた。けれども急傾斜の上に雪が氷って滑るので中止し、途中から横を搦み、竜ヶ岳へ続く尾根に出た。千五百米以下は霧氷も雪も絶えて笹が深くなる。それを分けて根原から登る端足峠の道に出で、北に向って本栖湖畔に下りた。路は湖の南岸に通じている。数百羽の小鴨が木の葉のように水面に浮んでいたのは珍らしかった。水は清く色は深碧で、富士北麓の五湖の中では最も幽邃である。しかし日光の湯の湖には及ばない。本栖村から日が暮れ、精進湖畔では、パノラマ台への道を上って行く田部君を呼び返そうとして、大声に喚き立てた。精進ホテルの犬が盛に吠え出したので、ホテルの戸が開いて、美しい妙齢の星野嬢が若いボーイを連れて出て来た。訳を話すと早速ボートを下して精進の村まで送ってくれた。松本君に宿のことを頼み、引返して竹法螺を吹いて貰うと、田部君も下りて来たので、又船で送られた。「慣れない人はよく迷いますよ」