轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

へいまとうぐいす

平馬と鶯

林 不忘

「少年倶楽部」1927(昭和2年)2月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,130 字 · 21 页

青空文庫

先んずれば人を制す。こうして出はなを挫いてやれば、さぞ痛快だろうではないか?」

平馬のこの突飛な申出には、大分反対の声が湧いた。そうとう腕の立つ連中が大勢、刀に手をかけて探しているのに、そこへこっちから乗り込んで行くというのは、まことに危険な物好であると言わなければならない。

「一人で行くのか」

「もちろん一人で行く」

「しかし、それも面白いが、この霧をはらしてからにしたまえ。この深夜の霧の中を敵地へ踏み込むのは、みすみす敵の術中に陥るようなものだ」

と、みんなが口を揃えて思い止まらせようとしたが、平馬はいっかな聞かなかった。

「なに、これから行って一泡吹かせてやるのが面白いのだ」

こう言って頑張りとおしたすえ、とうとう平馬が一人でこの霧の深夜に月見橋を渡って下妻の里へ乗り込んで行くことになった。

ここまで聞くと木の影の鏡之介、今夜こそ好機、途中待ち伏せして、大勢でひどい目に合わしてやろう。ことによったら斬り殺してもかまわぬと思いながら、急いで立ち上って森を出ると、韋駄天走りに自藩の方へ駈け出した。

あとには、森の奥の結城組一同、平馬を中心に小さな輪に集って、額を突き合わして何事か真剣に談合している。