轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
かいむ
怪夢
夢野 久作
「文学時代」1931(昭和6)年10月、「探偵クラブ」1932(昭和7)年6月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,100 字 · 23 页
そうして、あとには二千五百米突を示す高度計と、不思議なほど静かなプロペラの唸りと、何ともいえず好調子なスパークの霊感だけが残っていた。
……この11機はトテモ素敵だぞ……。
……もう三百キロを突破しているのにこの静かさはドウダ……。
……おまけにコンナ日にはエア・ポケツもない筈だからナ……。
……層雲が無ければここいらで一つ、高等飛行をやって驚かしてくれるんだがナア……。
……なぞと思い続けながら、軽い上げ舵を取って行くうちに、私はフト、私の脚下二三百米突の処に在る層雲の上を、11機の投影が高くなり、低くなりつつ相並んで辷って行くのを発見した。
それを見ると流石に飛行慣れた私も、何ともいえない嬉しさを感じない訳に行かなかった。大空のただ中で、空の征服者のみが感じ得る、澄み切った満足をシミジミ味わずにはいられなかった。……真に子供らしい……胸のドキドキする……。
……二千五百の高度……。
……静かなプロペラのうなり……。
……好調子なスパークの霊感……。
私の眼に、何もかも忘れた熱い涙がニジミ出した。太陽と、蒼空と、雲の間を、ヒトリポッチで飛んで行く感激の涙が……それを押し鎮めるべく私は、眼鏡の中で二三度パチパチと瞬きをした。