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わがあいするしじんのでんき

我が愛する詩人の伝記

室生 犀星

北原白秋「婦人公論 第四十三巻第一号」1958(昭和33)年1月号<br>高村光太郎「婦人公論 第四十三巻第二号」1958(昭和33)年2月号<br>萩原朔太郎「婦人公論 第四十三巻第三号」1958(昭和33)年3月号<br>釈迢空「婦人公論 第四十三巻第四号」1958(昭和33)年4月号<br>堀辰雄「婦人公論 第四十三巻第七号」1958(昭和33)年7月号<br>立原道造「婦人公論 第四十三巻第八号」1958(昭和33)年8月号<br>津村信夫「婦人公論 第四十三巻第九号」1958(昭和33)年9月号<br>山村暮鳥「婦人公論 第四十三巻第十一号」1958(昭和33)年10月号<br>百田宗治「婦人公論 第四十三巻第十二号」1958(昭和33)年11月号<br>千家元麿「婦人公論 第四十三巻第十三号」1958(昭和33)年12月号<br>島崎藤村「婦人公論 第四十三巻第六号」1958(昭和33)年6月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 116,728 字 · 231 页

青空文庫

永く生きて来て気のつくことは此の生き抜く以外に何もないことなのだ、山村暮鳥、萩原朔太郎、百田宗治、佐藤惣之助、津村信夫、立原道造、堀辰雄の皆は死に、その死を傷むこころはこの伝記を綴ることによって一層に感慨は深い、もう後五十年経てば人間は六十歳くらいの年齢で、改健期の国家手術が行われ、いまの生年の二倍くらい生きられることはうけあいである。つまり心臓とか胃腸とか頭脳とか視力とかの老衰状態は、その部分の改健手術によって保存されるのである。その時世にあっては人間の性格というものの悪埒残虐な行為も、いまの倍加を意味するであろうが、文学事業の永年期制作も驚くべき長年月に亙って制作され、ちょっとしたお座なりの才能では及ぶまい、そういう天国をみすみす指折り算えながらわれわれは死ななければならないことは、額に汗する思いなのである。併し先きに多くの死んだ諸詩人に対しては、われわれもまた従順に死んでやらねばならぬのであろう。死ぬのではない、死んでやるのである。君、来たかいと言い、うん、厭だけれどとうとう来た、仲間に入れてくれと哀願するより外はないのである。

ある時

春のよふけは