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わがあいするしじんのでんき
我が愛する詩人の伝記
室生 犀星
北原白秋「婦人公論 第四十三巻第一号」1958(昭和33)年1月号<br>高村光太郎「婦人公論 第四十三巻第二号」1958(昭和33)年2月号<br>萩原朔太郎「婦人公論 第四十三巻第三号」1958(昭和33)年3月号<br>釈迢空「婦人公論 第四十三巻第四号」1958(昭和33)年4月号<br>堀辰雄「婦人公論 第四十三巻第七号」1958(昭和33)年7月号<br>立原道造「婦人公論 第四十三巻第八号」1958(昭和33)年8月号<br>津村信夫「婦人公論 第四十三巻第九号」1958(昭和33)年9月号<br>山村暮鳥「婦人公論 第四十三巻第十一号」1958(昭和33)年10月号<br>百田宗治「婦人公論 第四十三巻第十二号」1958(昭和33)年11月号<br>千家元麿「婦人公論 第四十三巻第十三号」1958(昭和33)年12月号<br>島崎藤村「婦人公論 第四十三巻第六号」1958(昭和33)年6月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 116,728 字 · 231 页
中身は赤飯だといっても、留守中は誰方様からの贈り物があっても、うけられませぬと、女中さん(例の別嬪の)が気の毒そうに言い訳しながら、つき戻した。何だ、赤飯だからよさそうなものなのにと、私なぞに見せぬ手剛さがあることを知った。
後の日に迢空は切角の赤の飯を食べそこねましたと、上方なまりで詫て言われた。では、来年はうけとって下さいと私は言ったが、翌年の春に持って行ったかどうか、今はおぼえていない。
昭和十三年の頃、小笹功の主幹で古典研究の雑誌『むらさき』が出ていて、小笹功の主会で私の家で迢空に「ものを聞く」ことになったが、後で銀座に出て行きつけの当時のカフェに三人で行った。迢空にはそういう場所に興味がないらしく、それが判ると、すぐそのカフェを出た。その短かい時間にその店の階段を昇降した印象的な迢空は、茶色の鳥打をかむり同じ茶の服を着ていられた。その日の山小屋での吟行。
雪ふるといひしばかりのひとしづか 犀
更に十夜も過ぎて膝寒ム 迢
みなさんによろしくといひ梅日和 犀
犬の吼えたつ小路縦横 迢
金沢や白山吹の薬店 犀