轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
11 第十一分冊
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 186,659 字 · 372 页
熱鉄を呑む
「よろしい」
と、信雄はこれに調印した。
秀吉からは、その日、手みやげとして、黄金二十枚、不動国行の刀一口を、かれに贈り、なお伊勢地方での戦利品米、三万五千俵をも、贈与した。
心を表わすには、身を屈めて恭敬。――利を示すには、物質の実をもって、こうまでされては、信雄は満足を顔に出さずにいられなかった。
だが。
この計算が、どういう回答になって出るか、信雄は、たいして考慮にいれていなかったにちがいない。
かれはたしかに、名門の子たる貴人の資格は持っていた。けれど、時代の激潮からこれをいえば、単なるお人よしとよぶだけではすまない愚者といわれても仕方がない。名門の子として時流の外にいたならば何も咎むべきすじはないのに、かれは時潮の尖端に出、戦の傀儡にされ、かれの旗の下でも多くを死なせている。
事あらわれて、驚いたのは、家康であろう。さしもの達人家康も、この愚かなる坊ンちには、まったく、出し抜かれたかたちになった。
熱鉄を呑む
家康は今や、秀吉との対戦に、岡崎から清洲まで出て、大編制にかかっていたところである。
十二日の朝のこと。
「にわかに、お目通りねがわねばならぬことが起って」