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ちえのいちたろう

智恵の一太郎

江戸川 乱歩

象の鼻「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年1月<br>消えた足跡「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年2月<br>智恵の火「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年3月<br>名探偵「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年4月<br>空中曲芸師「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年5月<br>針の穴「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年6月<br>お雛様の花びん「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年7月<br>幼虫の曲芸「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年8月<br>冷たい火「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年9月<br>魔法眼鏡「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年10月<br>月とゴム風船「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年11月<br>兎とカタツムリ「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年12月<br>白と黒「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1943(昭和18)年1月<br>風のふしぎ「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1943(昭和18)年4月<br>飛行機を生み出すたのもしい力「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1943(昭和18)年7月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 67,333 字 · 134 页

青空文庫

何千人という工員がいるのだそうだが、機械のしかけがあまり大きいので、人がどこにいるかわからないくらいだ。

ここでできたアルミナというまっ白な粉を袋につめて、近くにある別の工場へはこんで、そこで、アルミニウムをつくるのだ。その工場も、じつに広い敷地で、そこだけで使う電気をおこすために、大きな水力発電所までできている。

一トンのアルミニウムをつくるのに、四トンのボーキサイトと四トンの石炭と、二万一千キロワットの電気がいるのだと、工場長の小父さんが教えてくださった。この電気は、五十ワットの電燈なら四十二万個もつくわけだ。アルミニウム一トンについて、それだけいるのだから、この工場の水力発電所が、どんなに大じかけだかということがわかる。

アルミナの粉を電気のひじょうに高い熱でとかして、アルミニウムを取るのだ。この工場には、その電気炉がかぞえきれないほどならんでいる。

電気炉の中でまっ赤にとけたアルミニウムの液を、鋳型につぎこんで、しばらくおくと、ぴかぴか銀色に光った、太い四角な棒ができる。その棒が山のようにつみあげてあるのだ。

これを別の会社の工場にはこんで、かたいジュラルミンにして、それから飛行機製作工場で、いろいろな形に切ったり、まげたり、けずったりして、それをつなぎ合わせて、飛行機の胴体や翼を組み立てるのだ