轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ちえのいちたろう

智恵の一太郎

江戸川 乱歩

象の鼻「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年1月<br>消えた足跡「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年2月<br>智恵の火「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年3月<br>名探偵「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年4月<br>空中曲芸師「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年5月<br>針の穴「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年6月<br>お雛様の花びん「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年7月<br>幼虫の曲芸「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年8月<br>冷たい火「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年9月<br>魔法眼鏡「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年10月<br>月とゴム風船「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年11月<br>兎とカタツムリ「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年12月<br>白と黒「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1943(昭和18)年1月<br>風のふしぎ「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1943(昭和18)年4月<br>飛行機を生み出すたのもしい力「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1943(昭和18)年7月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 67,333 字 · 134 页

青空文庫

その前には人間は壺をつくることを知らなかった。何千年か前の私たちの先祖が、非常な苦心をして、やっと土をかためることをおぼえ、壺をつくり出したのだ。

ところが、トックリバチは、この世に出て来た時から、ちゃんと壺を作ることを知っていた。この蜂は壺がなくては子供を育てることができないように生まれついているのだからね。だから、壺をつくることでは、なかなかえらいわけだよ」

「じゃ、こいつは人間よりもかしこいのですか」

一太郎君はちょっと不服らしい顔でたずねました。

「壺をつくることだけはね」

伯父さんはニコニコして答えました。

「トックリバチは壺をつくるように生まれついているんだよ。誰に教えられたのでもなく、また自分の智恵で考え出したのでもない。まったく生まれつきなんだ。

自分の智恵で工夫したのではないから、進歩というものがない。だから、こいつの壺は、千年前も今も、ちっともちがっていないのだよ。ところが、人間はそうじゃないね。生れつき壺をつくる力なんか、さずかっていないけれど、智恵をはたらかせてなんでも工夫する。人間には、物を工夫しつくりだす力があるんだ。何千年前には、土の壺さえ出来なかったのに、今では飛行機で鳥のように空を飛ぶことが出来るし、潜水艇で魚のように海の中を走ることもできるんだからね。