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ちえのいちたろう

智恵の一太郎

江戸川 乱歩

象の鼻「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年1月<br>消えた足跡「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年2月<br>智恵の火「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年3月<br>名探偵「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年4月<br>空中曲芸師「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年5月<br>針の穴「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年6月<br>お雛様の花びん「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年7月<br>幼虫の曲芸「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年8月<br>冷たい火「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年9月<br>魔法眼鏡「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年10月<br>月とゴム風船「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年11月<br>兎とカタツムリ「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年12月<br>白と黒「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1943(昭和18)年1月<br>風のふしぎ「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1943(昭和18)年4月<br>飛行機を生み出すたのもしい力「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1943(昭和18)年7月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 67,333 字 · 134 页

青空文庫

この高橋さんは、いつもおもしろい、ためになるお話をしてくれたり、模型飛行機の競技会を開いてくれたり、野球の審判官になってくれたりするので、近所の少年たちに、たいへん人気のある、快活な学生さんなのです。

「雪投げをして来たんだ。僕たちの組はすごく勇勢だったよ」

少年の一人の北川君が、とくいらしく答えました。

「ふーん、そりゃよかったね、僕に知らせてくれりゃ、原っぱへ行って、君たちに雪投げのしかたを教えてやるんだったのになあ」

高橋さんはどこかにまだ子供っぽいところがありましたので、雪投げに加われなかったのが、いかにも残念だという顔をしましたが、ふと何かおもしろいことを思いだしたらしく、目をかがやかしていいました。

「あ、そうだ。君たちに一つ智恵だめしの問題を出してやろう。いいかい、雪投げというものは、ただ力くらべをするだけじゃない。智恵くらべもしなければならないのだ。雪投げをやるのに、どうすれば有利かということが、どんなに大切かということは、君たちもよく知っているだろう。もっと小さいことでいえば、探偵ね、あれがやっぱり力よりは智恵の仕事なんだよ。

ところで、かりに君たちが探偵として相手の様子をさぐりに行ったとするね。