轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

つきのまつやま

月の松山

山本 周五郎

「キング」大日本雄辯會講談社、1954(昭和29)年8月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 20,451 字 · 41 页

青空文庫

「大丈夫です、決して喧嘩なんかしませんから」

明くる日、泰二郎は帰って来て、「掛合がうまくいった」と報告した。郡代役人を現場へ案内し、地境が荒されているのをみせ、それから坪田へいった。坪田では主人の与兵衛が出てあやまり、「なにかの間違いだろうから、すぐ小作人たちに中止させる」と答えたそうであった。

「明日いって慥かめて来ます」泰二郎はなおそう云った、「本当にやるかどうか慥かめて、やらなかったらその足で坪田へゆきます」

泰二郎は気負っているようであった。

孝也はちょっと不安だった。泰二郎があまり気負っているので、間違いでも起こらなければいいがと思った。しかし、その日いって来た泰二郎は、あっさり「見届けて来ました、あれなら大丈夫でしょう」と云った。極めてむぞうさなので、どんなようすか訊き糺す余地もなかった。彼は付け加えて云った。

「念のためにもう一度いってみますが、しかしあれなら大丈夫だと思います」

孝也はそうかと頷いた。

その夕方、孝也は城下へでかけた。なが道は歩けないので、街道口の車屋で馬を借りていった。知人に見られないように、橋を渡って畷道の途中から裏道へまわり、武家屋敷のほうから町へ入ると、桶屋町の「藤十」