轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

くわのきものがたり

桑の木物語

山本 周五郎

「キング」大日本雄辯會講談社、1949(昭和24)年11月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 39,815 字 · 79 页

青空文庫

悠二郎は張合のないような気持で、幾たびもふんと鼻を鳴らした。

彼の新しい生活が始まった。そのなかでまいったのは、行儀作法というやつと学問であった。一日いっぱい着物を着て、袴をつけて、小さいけれども刀を差して、そうして歩くにも坐るにも、姿勢をきちんと正していなければならない。――眼を正面へ向けて静かに歩く、坐ったら胸を張って両手を膝に置く。言葉は明瞭簡単に要点だけ云い、決してむだ口をきかない。食事はおちついて、皿小鉢や箸の音をさせない、くちゃくちゃ噛むなどはもってのほかである。もしこれらの禁を犯すと、すぐさま「悠二郎――」と、父の叱陀がとぶのであった。

「悠二郎きちんと坐れ、着物の衿を合わせろ」

「口をむすべ、男はむやみに笑うものではない」

「静かに歩け悠二郎、廊下は馬場ではないぞ」

悠二郎、悠二郎、悠二郎。ならん、いかん、黙れ、坐れとひっきりなしである。いちどやりきれなくなってお祖父さんに訴えた、虚木老はにやにや笑って、「おまえ兄の松太郎をどう思う」と反問した。彼は言下に答えた、「あんな真桑瓜のできそくないなんか小指でちょいですよ」

「しかしその松太郎は、おまえが降参したことをちゃんとやっているではないか」