轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

さくらのみのじゅくするとき

桜の実の熟する時

島崎 藤村

「文章世界」1913(大正2)年1~2月、1914(大正3)年5月~1918(大正7)年6月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 111,569 字 · 222 页

青空文庫

と、途中で友達に言って見た。菅も並んで町を歩きながら、

「何だか青木君もいろいろなことをやってるようだね。普連土教会で出す雑誌の編輯なぞまでやってるようだね」

こういう友達と一緒に、捨吉は薄暗い世界を辿る気がした。若いものを恵むような温暖い光はまだ何処からも射して来ていなかった。ほんとに、皆な揃って進んで行かれるような日は何時のことか、とさえ思われた。

二人揃って旧の学窓から遠くない高輪の方面へ青木を訪ねて行くということを楽みながら、捨吉はあの年長な新しい友達の複雑な閲歴なぞを想像して歩いて行った。青木はもう世帯持だ。あの男は何もかも早い。結婚までも早い。それにしても青木等の早い結婚は、どんな風にして結ばれたのであろう。斯く想像すると、捨吉は自分の若い心に、あの男の書いたものに発見する恋愛観――おそらく稀に見るほどの激情に富んだ恋愛観とその早い結婚とを結びつけて考えずにはいられなかった。東禅寺の境内に入って、いくつかある古い僧坊の一つを訪ねると、そこが青木の仕切って借りている寓居だ。何となくひっそりとした部屋の内で、青木が出て来て、「僕のところでも子供が生れた」