轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
02 第二部
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 146,773 字 · 294 页
「一人だけ別になるんなら、僕がならなくちゃあ。」
恭一はいつになく吐き出すような調子で言った。
「お前、どうしてそんなことをお言いだい。お祖母さんといっしょのお部屋に寝るのが、いやにでもなったのかい。」
「ううん、そんなことありません。だって、次郎ちゃんより僕の方が年上なんだもの。」
「まあ、まあ、急にお兄さんにおなりだこと。」
と、お祖母さんは、冗談のように言って笑ったが、すぐまた真顔になって、
「そりゃあね、恭一、年ではお前の方が兄さんにちがいないともさ。だけど、何もかも兄さんだと思ったら大間違いだよ。次郎には、そりゃあお前たちの思いもよらない悪智恵があるんだからね。いつかも、ほら、お前、うまいこと万年筆を捲きあげられたんだろう。うっかりあれの手にのって、二人っきりで二階に寝たりしていると、ろくなことはないよ。」
「お祖母さん――」
と、恭一はもう泣きそうな顔になって、
「万年筆は次郎ちゃんにねだられたんじゃないんです。僕、いらないからやったんです。二階に寝るのだって、僕の方から言い出したんです。次郎ちゃんはかわいそうです。ずるくなんかないんです。お祖母さんは、どうして次郎ちゃんがそんなにきらいですか。