轻松读懂日语经典作品
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くるいだこ
狂い凧
梅崎 春生
「群像」講談社、1963(昭和38)年1月~5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 111,430 字 · 226 页
翌朝加納が眼をさますと、城介の呼吸音が変なのにすぐ気がついた。加納は城介の隣に寝ていた。いびきとも違う。咽喉が猫のようにごろごろ鳴っている。はっとして、向うむきになった城介の顔をのぞくと、鼻孔からクリーム状のどろどろしたものが流れて、下の毛布にまで垂れている。鼻呼吸が出来ないから、咽喉が鳴っているのだと判った。
「たいへんだ。みんな起きろ」
残る三人も飛び起きた。
「どうしたんだ?」
「矢木の様子がおかしい。すぐ兵隊に担架を持って来させろ」
一人が飛び出して行った。加納はガーゼでどろどろのものを拭ってやった。しかし鼻孔の中にもぎっしり詰っているので、咽喉の鳴りは止まなかった。城介は深い昏睡状態におちいって、失禁していた。
「昨夜の白い薬だな」
歯がみしたくなるような気持で、加納は思った。あの時すぐ吐かせればこんなことにならなかったろう。
「昨日風呂に入ったのも、その覚悟だったんだな」
城介は風呂に入るのを、面倒くさいと称して、あまり好まなかった。いつも体を拭くだけにとどめていた。それが甕風呂に入り、念入りに洗ったというのも、その覚悟だったに違いない。
直ぐに兵隊が担架を持って、かけ込んで来た。