轻松读懂日语经典作品
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くるいだこ
狂い凧
梅崎 春生
「群像」講談社、1963(昭和38)年1月~5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 111,430 字 · 226 页
三
ことに走ると、それが目立った。彼はオートバイ乗りみたいな姿勢で走ったよ」
「城介が走るとこを、君は見たことがあるのか?」
「あるよ。どこだったか、どこかの遊園地でだ。まだ君に話さなかったかな」
三
殴ろうと言い出したのは、矢木城介の方であった。もちろん私はとめた。
「ほっときなよ、あんなの。殴ったって仕方がない」
しかし城介は黙って、その方をにらんでいた。眼が凶暴にきらきら光って動いている。こんな眼の動かし方を、兄の栄介は絶対にしない。城介に特有のものであることを、私は彼とつき合い始めて、間もなく知った。双子と言っても二卵性の方なので、同じ時期に同じ胎内に育ったというだけで、兄弟みたいなものだから、顔かたちは似ていても、性格や考え方はかなり違っているのだ。
その遊園地は戦前のものなので、現在のそれのように大規模でけばけばしいものではなかった。しかし形としてはほぼ同じで、丘や凹地や庭があり、池には貸ボートが浮び、遊戯施設も一応ととのっている。売店ではおでんやキャラメル類を並べ、拡声器が〈東京ラプソディ〉や〈ユモレスク〉などのメロディを園内に流している。いつだったか私は城介といっしょに、そこに遊びに行った。