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くるいだこ

狂い凧

梅崎 春生

「群像」講談社、1963(昭和38)年1月~5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 111,430 字 · 226 页

青空文庫

「一度これを持って、国立病院に行ってみませんか。紹介状を書きますよ。古いものかどうか、わたしには判断出来ませんのでね」

「そうですか」

「一般に骨全体の影がうすいようですな。齢の割には弱って来ている」

医師は眼鏡を外して、像にしげしげと見入った。

「小さい時、カルシュームのとり方が少かったんでしょう」

栄介はうなずいた。今思っても、確かにとり方が少かった。それと同時に、彼は城介のことを考えていた。

「僕には双生児がありましてね――」

「ソーセージ?」

「いえ。つまり僕は、ふた児の一人として生れて来たという意味です。相手はもう生きていないけれど――」

「なるほどね」

「双生児というのは、母体からの栄養やカルシューム分を、二人で分け合って育つものでしょう。そういう点で、先天的に骨格がやわであるとか、筋肉が薄弱に生れつくとか、そんなことはないのですか?」

「さあ。それは――」

医師は笑った。冗談に言っていると思ったのかも知れない。

「その相手の人も、体は弱かったんですか。死んだというのは――」

「いや、病気じゃありません。相手は僕より骨が太かったし、腕力も強かった。そこでその分だけ、僕の取り分が少かったと言う風には――」