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ししまいざっこう

獅子舞雑考

中山 太郎

「民俗芸術 第三巻第一号」1930(昭和5)年

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,092 字 · 16 页

青空文庫

これは鹿の体躯や所作を模倣する点からも、一人で十分であって、二人では、かえって面白くないからである。

しかるに獅子舞の方には、一人立と二人立(稀には三人立のもある)とあって、前者には下総香取社、越後五泉町の秋祭の獅子〔註六〕。「※(「竹かんむり/(土へん+鈞のつくり)」、第3水準1-89-63)庭雑考」に載せた寛永頃の古絵などを始めとして、各地に沢山存しているし、後者には古いものでは、信西入道伝来の「獅子舞図」(古典全集本)、及び「年中行事絵巻」(平安朝)などを主なるものとして、これも各地に夥しきまでに存しているが、私には何となく、一人立は鹿舞踊の古風を残したもの、二人立は舶来の今様を伝えたもののように思われる。「賀茂縁起」の『馬係レ鈴、人蒙二猪頭一、而駈馳、以為二祭礼一』とあるのは、記載が古いだけに珍重すべき資料であるが、しかもこれによると、一人立の猪頭と見て差支えないようである。春駒にしても大昔はこれと同じく、駒の頭を被った一人立であったところから推すと、鹿踊も一人立を原則としたものではなかったろうか。

「赤羽八幡社の獅子頭」のキャプション付きの図