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ししまいざっこう

獅子舞雑考

中山 太郎

「民俗芸術 第三巻第一号」1930(昭和5)年

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,092 字 · 16 页

青空文庫

七、仏事に用いた獅子舞の源流

)と云った具合に、各々独自の境地を有していたのであるがそれが例の本地垂迹説の大成とともに、神仏一如の信仰となり、さらに和光同塵の思想となって、仏説で神道を支配するようになったので、遂に鹿踊と獅子舞とが、習合され渾成されるようになったのであると、考えたいのである。そして、この獅子舞が仏教の事相――と云うよりは葬礼に深い関係を有していたことは、これを各地の土俗に徴するとき、やや明確に知ることが出来るのである。

七、仏事に用いた獅子舞の源流

元禄年中に、古河古松軒の記した「四神地名録」に『荏原郡大森村巌正寺(浄土宗)にては、毎年七月の仏祭に村の若い者大勢集りて、終日獅子舞をして追善とす。古へよりの例なれども、其故解しがたし』と載せてある。しかるに文政年中に完成した「新編武蔵風土記稿」(巻四一)に拠ると、この獅子舞は(原註に、獅子頭と称すれども、麟竜の頭に似せて作りしものとあるのから推すと、謂ゆる竜体獅子の一つであると思われる)は、雨乞のために行ったが、恒例となったのであると説明している。そして、この仏祭獅子であったのが、雨乞獅子と変遷した過程は、即ち寺院から神社へと、獅子舞が移って往った道筋を、物語っているものとして、注意すべき点である。