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ししまいざっこう
獅子舞雑考
中山 太郎
「民俗芸術 第三巻第一号」1930(昭和5)年
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,092 字 · 16 页
三、獅子頭に角のある理由
殊に小寺氏のトーテム説に至っては、あれだけの研究では、にわかに左袒することの出来ぬのは勿論である。
三、獅子頭に角のある理由
こう言うと、何だか柳田先生の御説に、反対するように聞えるが、角の有無を以て鹿と獅子の区別をすることは、再考の余地があるように思われる。能楽の「石橋」を見ても大巾には角はないが利巾には角があり〔註三〕さらに我国の獅子頭にも、角のあるのは決して珍しいものではなく、しかもこの角が必ずしも鹿のそれだとばかり定められぬ点がある。例えば武蔵北葛飾郡戸ヶ崎村大字戸ヶ崎に、三ツ獅子の頭というのがあり、その形は越後獅子の頭に似て、竜の角の如き股のある二本角で、鶴の毛で飾ったものであるが、これを三ツ獅子と称するのは、をミツと訓んだ転訛であろうと〔註四〕。かつてこの獅子頭を用いて、利根対岸の堤を崩した恠談を伝えている。これから推すと、この獅子頭は鹿よりは竜に近いものと、見るべきである。さらに留意しなければならぬ点は、武蔵の豊嶋、足立、葛飾の各郡村では、獅子頭を呼ぶに「竜体獅子」という俚称のある事である。先頃、民俗芸術会の同人諸氏と見学した、赤塚村大字徳丸本の獅子舞に用いた頭なども、土地の人々は「重箱獅子」