轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
あきのかご
秋の駕籠
山本 周五郎
「講談倶楽部」大日本雄辯會講談社、1952(昭和27)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,356 字 · 35 页
雨の日でもそこへゆけば、駕籠が空いている限り二人はそこで客を待っていた。
駕籠は五郎兵衛町の「駕籠庄」で借りた。二人はもと駕籠庄に雇われていたが、金持や成上り者は客に取らなかった。威張っている人間や気障なやつも客にしなかった。つまり客選びがひどいので、(その点二人は気が合ったので)店としては具合が悪く、親方に受人になってもらって辻駕籠を始めたのであった。二人はしょうばいにも潔癖であった。どこまで幾らと駄賃を定めるとそれ以上は客から一銭も貰わなかった。心付を出す客があると怒った。
――おれたちは堅気の稼ぎ人だ、道中の雲助とは違うんだ、みさげたまねをするな。
そしてやはり金持や成上り者は乗せなかった。
かれらはその言葉どおり「堅気」であった。博奕もしないし酒でぐれることもなかった。ごくときたま遊里を覗くらしいが、そのたびに自分たちは女性にはもてない、という信念をたしかめるばかりであった。遊里の女性たちのなかには、相当にかれらに実意を示す者がいた、しばしば相当以上の者がいたが、二人の信念は少しも変らないのであった。
――女に好かれるわけがねえや。
中次も六助もそう信じていた。