轻松读懂日语经典作品
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くさまくら
草枕
一个画家厌倦了人情世故,独自钻进深山。他想找一处能喘口气的地方,却在旅途中发现——原来诗和画,都在眼前。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,485 字 · 170 页
攫われて空行く人のごとく、ただ不可思議の千万無量――あとがちょっと読みにくいですよ。どうも句にならない。――ただ不可思議の千万無量――何か動詞はないでしょうか」
「動詞なんぞいるものですか、それで沢山です」
「え?」
轟と音がして山の樹がことごとく鳴る。思わず顔を見合わす途端に、机の上の一輪挿に活けた、椿がふらふらと揺れる。「地震!」と小声で叫んだ女は、膝を崩して余の机に靠りかかる。御互の身躯がすれすれに動く。キキーと鋭どい羽摶をして一羽の雉子が藪の中から飛び出す。
「雉子が」と余は窓の外を見て云う。
「どこに」と女は崩した、からだを擦寄せる。余の顔と女の顔が触れぬばかりに近づく。細い鼻の穴から出る女の呼吸が余の髭にさわった。
「非人情ですよ」と女はたちまち坐住居を正しながら屹と云う。
「無論」と言下に余は答えた。
岩の凹みに湛えた春の水が、驚ろいて、のたりのたりと鈍く揺いている。地盤の響きに、満泓の波が底から動くのだから、表面が不規則に曲線を描くのみで、砕けた部分はどこにもない。円満に動くと云う語があるとすれば、こんな場合に用いられるのだろう。落ちついて影をしていた山桜が、水と共に、延びたり縮んだり、曲がったり、くねったりする。