轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
おちばのとなり
落葉の隣り
山本 周五郎
「小説新潮」1959(昭和34)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 28,877 字 · 57 页
三
母のことは向うのおひさのうちで面倒をみてくれるというし、かよいでは本当の仕事が覚えられない。それに年も十四になったので、思いきってそういうことにした。そして、住込みときまったとき、横山町の「島藤」の店へゆき、参吉を呼びだしてそのことを告げた。
「おれは参ちゃんのような能はねえけれど」と彼は別れるときに云った、「それでもいちにんまえの職人にはなるつもりだよ」
「おめえは腕っこきになるさ」と参吉は励ますように云った、「やぶいりに会おう」
三
それから三年経った秋、おひさの母親が死んだ。
繁次が仕事で鉋を使っていると、女中が来て「おひさっていう子が来ている」と告げた。名前だけではちょっと思いだせず、鉋屑をはたきながらいってみると、勝手口の向うにある薪小屋の前に、おひさが立っていた。だが、それがおひさだとわかるまでにはちょっとひまがかかった。その年のお盆のやぶいりに会ってからそれほど日は経っていないのに、背丈も一寸くらい伸びたようだし、顔や躯つきにもどことなくまるみがついて、「みっともないちび」という感じとはすっかり変ってみえた。繁次が近よってゆくと、おひさは、いっぱいにみひらいた眼で彼をみつめたが、その眼から大きな涙がこぼれ落ちるのを繁次は見た。