轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

おやどりことり

親鳥子鳥

佐々木 邦

「キング」大日本雄辯會講談社、1925(大正14)年10月~1926(大正15)年10月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 88,828 字 · 181 页

青空文庫

「お父さんのように下手な人でしたろうね?」

と郁子が相槌を打った。

「然うさ。お父さんは一度や二度じゃ通じない。サンザ言い直した後がお話中と来る。ところでもう一人ある。此奴は郵便局で頓死してしまった。死人に口なしで、確かなことは分らないが、郵便局に書けるペンが備えつけてあるのを見て胆を潰したのらしい。これは日本でも然うだろう。郵便局に書ける筆のあった例はないからね」

とお父さんはこんな悪口が大好きである。

「真正ね。まるで猫柳ですわ」

と郁子が再び調子を合せた。お母さんはもっと真剣な個人問題でないと相手にならない。

御飯が済んでから勉強部屋の掃除をしていると、

「源太郎や、今日こそは真正に行っておいで。お前お小遣がないんじゃないの?」

とお母さんが態訊きに来てくれた。

「あります。直ぐ行きます」

と僕はもう退っ引きなく出掛けた。門のところでお隣の文一君に会った。

「お早う。何処へ?」

「散髪」

と文一君は指で鋏を拵えて頭へ持って行った。成程、第一日曜だ。文一君は散髪日が定まっている。第一日曜なら散髪屋の休日に打っ突かることは絶対にないと言ったことがある。何でも几帳面だから敵わない。