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まめせんすいていのゆくえ

豆潜水艇の行方

海野 十三

「家の光」家の光協会、1941(昭和16)年8月~1942(昭和17)年1月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 20,245 字 · 41 页

青空文庫

「そんなことはない」

「だって、これをごらんなさい。深度計の針は、零をさしていますよ」

「そんなはずはない」

学士は、すぐさま、つよく言いかえしましたが、念のために目をうつしてみますと、これは意外!

「おや、いつの間に、深度が零になってしまったんだろうか。これはますますへんだぞ」

学士は深度計のガラスを、手でもって、かるくとんとんと叩いてみました。それは、もしや針がどこかにくっついていて、うごかなくなったのではないかとおもい、針をはずすために、かるい震動をあたえてみたのです。しかし、深度計の針は、あいかわらず、零のところにとまったきりでした。

「これは、ふしぎだ」

青木学士は、深度計のまえに腕組をして、うーむと呻りました。一体、どうしたわけでしょう。

口蓋開き方

「じょうだんじゃない。この潜水艇は、推進器がからまわりをしているぞ」

青木学士が、大きなこえをだしました。よほどおどろいたものと見え、学士の顔は、まっかです。

「からまわりって?」

「からまわりというのは、推進器が、水の中でまわっていないで、空気の中でまわっているという意味だ」

「え、空気の中で? すると、この豆潜水艇は、飛行機になって空中をとんでいるというわけですか。