轻松读懂日语经典作品
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まけないおとこ
負けない男
佐々木 邦
「講談倶楽部」大日本雄辯會講談社、1930(昭和5)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 98,799 字 · 202 页
「何でも宜いんだ。理窟は抜きにして、有りついた仕事を一生懸命にやるのさ」
「はあ」
「初めから計画したって仕方がない。ナポレオンだってナポレオンになろうと思ってナポレオンになったんじゃない」
「はあ、そのお話は学校で度々承わりました」
と堀尾君はこの上の長談義を恐れた。道子さんが待っている。
「天分なんてものは結果から見ての話だ。初めから分るものじゃない」
「はあ」
「何かあると思っていると間違う。ナポレオンのように伍長になって社会の軍隊へ入り給え」
「伍長にもなれません」
「ハッハヽヽ」
「何ですか?」
「伍長になると言ったら叱ってやろうと思った」
「危いですな」
「ハッハヽヽ」
「新兵になって新規蒔き直しにやります」
「それが宜い。註文をつけないで一生懸命にやっている中に何うにかなるんだ」
「御趣旨に副うように努めます」
「久しぶりに会って、小言を言ってしまったね」
「いや、結構です。しかし先生、大分長くお邪魔を致しました」
「未だ早いよ」
「しかし……」
「我輩、今晩は全く閑だ」
「それではもう少時」
「ゆっくり話して行き給え。些っとも構わないんだ」
と安藤先生は察しがない。
「先生、議論ではありませんが、適不適ってことも考える必要がありましょう?」