轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

まけないおとこ

負けない男

佐々木 邦

「講談倶楽部」大日本雄辯會講談社、1930(昭和5)年1月~12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 98,799 字 · 202 页

青空文庫

十万円の問題

「まあ! オホヽヽヽ」

「間瀬の奴、養子とは考えたね」

と奥田君が感心した。

「兄さん、間瀬さんて何んな方?」

と道子さんが訊いた。

「さあ。可もなく不可もない男だね」

「ひどい近眼です。君、この間写した○高会の写真があるだろう?」

と堀尾君は道子さんの為めに計らった。

「清水さんの写真もございますよ。絶世の美人を御覧に入れましょう」

と道子さんも申出て、話が間瀬君と清水さんで持ち切った。堀尾君は十万円の問題を提出する積りだったが、待て少時と気がついた。これを用件に又明後日の晩罷り出る。

十万円の問題

玄関の呼鈴に応じて、例の通り道子さんが現れた。

「兄さんは?」

と堀尾君は同時に目で物を言った。

「お風呂に入っていますの」

「…………」

「何うぞ」

と道子さんはイソ/\して二階へ案内した。

二人は婚約が成立しているけれど、未だ兎角周囲に遠慮がある。堀尾君は以前からの関係上、奥田君を訪ねて来る。目的は疾うに道子さんの方へ変っているのだけれど、そこは察して貰うより外仕方がない。しかし奥田君もその叔父さん叔母さんという人も存外気が利かない。約束が定ってお芽出度いとは信じているが、特別に頭を働かせることがない。