轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

まけないおとこ

負けない男

佐々木 邦

「講談倶楽部」大日本雄辯會講談社、1930(昭和5)年1月~12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 98,799 字 · 202 页

青空文庫

「でも私、丁度四十円戴いていますのよ」

「構いません」

と堀尾君は数字に超越している。月給四十円の男とは見えない。

「私、早速母に相談しますわ」

「そんなこと黙っていて下さい」

「でもあなたにお気の毒ですわ」

「何あに、後たった一学期です。卒業すれば後は永久に給金なしの女中です」

「まあ!」

「ハッハヽヽ」

「ひどいわ」

「冗談ですよ」

「いゝえ。本気が一寸冗談に出たんですわ。あなたは屹度横暴よ」

「今の中丈け御機嫌を取っているんですか?」

「えゝ」

「然うかも知れません。兎に角、学校のことはお母さんにも誰にも相談なんかしちゃいけません。これは僕の命令です」

「圧制ね」

「その代りウンとねだるんです」

「それも然うね」

「一番金目のかゝるものは何ですか?」

「ダイヤの指輪よ」

「それをおねだりなさい。奥田君、大いに苦みますよ」

「差当り要るものが宜いわ。たった一学期ですから、ダイヤは可哀そうよ。丸帯を一本余計買って戴けば充分浮きますわ」

と道子さんは何方にも損をかけないで自分に徳のつく算盤を考えた。

「お父さんもその中に御上京でしょう?」

「はあ。母が一度帰ってから御一緒でしょう。母と入り代りに兄夫婦が出て参りますわ」