轻松读懂日语经典作品
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まけないおとこ
負けない男
佐々木 邦
「講談倶楽部」大日本雄辯會講談社、1930(昭和5)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 98,799 字 · 202 页
臨時です。数日中に元の好男子に戻ることを私は拳大の判を捺して保証申上げます」
「ハッハヽヽヽ」
「堀尾君は一昨晩、社の仕事を終ってお家へ帰る途中、無頼漢三人を相手に取って武勇伝を演じたのであります。これが堀尾君の短所であります。困ったものだと私は存じましたが、同僚から経緯を伺って見て、同時に長所を発揮していることが分りました。事の起りは電車の中で無頼漢が婦人に戯れかゝったのであります。堀尾君は言葉穏かに注意したのです。ところが相手は浮浪無頼の徒ですから、好い幸いに喧嘩を売りかけました。堀尾君としては事情致し方ありません。即ち下車して、遺憾なく三人を叩き伏せたのであります。右のお目がその折の奮闘を物語っています。これによってこれを見るに、曲ったことが嫌いという立派な性格ともう一つ後のことを考えないという無謀な性格が現れています。結婚式を控えていて命の遣り取りに近い行動を演ずるものは滅多にありません。しかし婦人に対する侮辱がそれほどまで癪に障ったのであります。欧洲中世紀の武士道を理解する私は堀尾君の行為を決して咎めません。見知らぬ婦人に対してこの通りなら、大切の奥さんには何の通りでありましょうか? 想像するに難くありません。