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うしすてばうますてば

賤民とは何か

喜田 貞吉

喜田貞吉『賤民とは何か』。同一底本的分册已合并为一书。收入:牛捨場馬捨場、旃陀羅考、賤民概説、特殊部落ということについて、放免考、濫僧考、濫僧考補遺。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 116,870 字 · 229 页

青空文庫

に見えている。無論肉食の輩は神社に参詣することが出来ない。牛馬の肉はもちろんのこと、普通に食用獣として、その名までが「しし」(宍)、すなわち「肉」とまで、俗に呼ばれるようになっているところの、鹿や猪などの肉を喰っても、それから数日間は遠慮しなければならぬ。その日数は神社によって相違があって、石清水八幡宮がことに甚だしく、春日神社・稲荷神社・賀茂神社など、またいずれも厳重にこれを禁じていた。それも時代によって相違があり、鎌倉時代の習慣と思われる諸社禁忌の記するところによると、八幡宮は百日、春日や稲荷は七十日、賀茂・松尾・平野等は三十日とある。また八幡宮では、魚食のものでも三日間の禁忌とある。かくて肉食の徒は神罰を蒙るが為に、「宍喰った報い」という俗諺までが出来た。しかもなお神社によっては、後までも古風を伝え、信州の諏訪、摂津の西の宮、肥後の阿蘇、下野の二荒などでは、祭の日にわざわざ御狩と称して、猪鹿を狩ってそれを生贄に祭ったという事もないではなかった。

肉食の穢れはひとり肉食者のみに存するのではない。自身肉を喰わずとも、その穢あるものと「合火」したもの、すなわち会食したものにも穢が及ぶ。