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うしすてばうますてば

賤民とは何か

喜田 貞吉

喜田貞吉『賤民とは何か』。同一底本的分册已合并为一书。收入:牛捨場馬捨場、旃陀羅考、賤民概説、特殊部落ということについて、放免考、濫僧考、濫僧考補遺。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 116,870 字 · 229 页

青空文庫

10 河原者、坂の者、散所の者

念仏狂言とは、念仏が遊芸の方面に発達したものである。彼らはもと課役を避けて出家した法師なるが故に、人の門に立って念仏を申し、供養を受けて生活した筈であるが、いわゆる仏の顔も三度という如く、ただそれだけでは聞き手の方が飽きて来るので、ついにはその念仏に抑揚曲節を付し、身振り手振りを加えて、歌念仏、踊念仏となる。これは空也上人が始めたと云われているが、近頃でも京都近在で行われている六斎念仏の如きは、名は念仏と云っても、その実全く一種の遊芸になっている。また壬生の大念仏と称する無言狂言が、今以て念仏狂言と云っているところに、これもその起原が窺われる。このほか田楽、猿楽、万歳などの芸能に従事するものも、もと田楽法師、猿楽法師、千秋万歳法師などと呼ばれて、やはりこの濫僧の徒の従事する遊芸となっておったのである。

かくの如き遊芸者は、それぞれ相当の技芸を演じて人の耳目を喜ばしめ、その代償として食を求めるのであるけれども、やはり乞食と呼ばれていたのであった。

10 河原者、坂の者、散所の者

濫僧は非人法師として、身を雲水に委して乞食生活をなすに好都合であったであろうが、多数の濫僧が輩出しては、もはやこれのみによって活きる事は出来ぬ。