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うしすてばうますてば
賤民とは何か
喜田 貞吉
喜田貞吉『賤民とは何か』。同一底本的分册已合并为一书。收入:牛捨場馬捨場、旃陀羅考、賤民概説、特殊部落ということについて、放免考、濫僧考、濫僧考補遺。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 116,870 字 · 229 页
八幡宮では、猪鹿の肉を喰ったものと合火すれば三十日間参詣を禁ずる例であった。さらに「又合火」とて、合火したものと合火しても、三日間遠慮しなければならなかった。もちろん穢れたものと同席してはならぬ。穢れた家に這入ってもたちまち穢がその身に及ぶ。穢れたものが這入って来れば、その這入られた家のもの全体が穢れる。殺生肉食者は、神に近づくことが出来ぬのみならず、一切他家と出入りすることをも忌避されたのであった。かくの如き次第で、殺生肉食常習者は、次第に社交圏外に置かれ、普通民からは相手にされなくなる。餌取すなわち屠者の如き肉食殺生常習者が、次第に人間仲間に置かれなくなったのも実際やむをえなかった。たまたまエトリという語が訛ってエタと呼ばれるようになったので、彼らは「穢れの多い身」だという訳から、都合のよい「穢多」という文字をこれに当てることになり、全く社会外の非人として認められることとなったのであった。
かく仏法では殺生肉食を悪事とし、神道の方でもこれを非常なる穢として排斥したが、しかし屠殺業も、皮革業も、社会にとっては必要な職業である。何人かがこれに従事せねばならぬ。