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うしすてばうますてば

賤民とは何か

喜田 貞吉

喜田貞吉『賤民とは何か』。同一底本的分册已合并为一书。收入:牛捨場馬捨場、旃陀羅考、賤民概説、特殊部落ということについて、放免考、濫僧考、濫僧考補遺。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 116,870 字 · 229 页

青空文庫

そしてその農民が、同時に当然公民であり、良民であったのである。大化改新の政治には、人民の戸口を按じ、田地を校し、戸籍によって班田収授の法を行われたのであった。さればいやしくも国家の公民として、戸籍に登録せられた程のものは、原則としてことごとく口分田の班給にあずかり、自らこれを耕すところの農民、すなわち大御田族であった筈である。これは農を以て大本とする我が国において、まさにしかるべきところでなければならぬ。

さらにこれと併せ考うべきことは、「百姓」という語がただちに農民を意味することとなり、漢字の「民」に当つるに「タミ」という邦語を以てしたことである。

本来「百姓」とは、あらゆる姓氏を有するものの総称で、その語にはもとより農民という意味はない。姓氏を有するものはすなわち公民で、賤民には姓氏がない。これは古代の戸籍を見れば明らかである。しかるにその百姓たる公民は、原則としてことごとく口分田の班給を得て、すべてが農民であったが為に、遂には百姓すなわちただちに農民ということになったに相違ない。後には農民以外の雑戸の徒も、解放せられて平民の仲間となり、農民以外の百姓も出来た筈ではあるが、それは第二次的意義の転化で、原則としては百姓すなわち農民であったのである。